マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 11位ゴールで惜しくも連続ポイント獲得はならず
2020年SUPER GTシリーズ第2戦は、8月8〜9日に富士スピードウェイ(静岡県)において300kmレースとして開催。33kgのハンディウェイトを搭載して参戦となった#5 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也)は、GT300クラス予選6位から平木がスタート。序盤からペースを上げられず、坂口に交代後も5台による10位争いを展開した。しかし最終ラップの最終コーナーで1台にかわされ結果的に11位。残念ながら2戦連続のポイント獲得はならなかったが、しっかりと完走してデータを収集した。
今回も新型コロナウィルス感染症対策として無観客レースで開催。開幕戦同様、チームも入場スタッフ数の制限があり、大会の2週間前から毎日、検温を含む症状確認をネットで送付するなどチェック態勢が敷かれ、サーキット入場時にもゲートで検温し常にマスク着用が義務付けられた。前回が1デイだったのに対し今回は2デイ開催。時間的な余裕も多少できた。
また今回は、GT300クラス車両の決勝レースでは、ドライタイヤでスタートした場合、ドライバー交代時にはタイヤ4本を交換しなければならないと発表された。これで前回のようなタイヤ無交換や、タイヤ2本交換でピット作業の短縮をする戦略が採れなくなってしまった。
そのために、8日朝に行われた公式練習では、タイヤ4本を交換するためにこれまでと異なるタイヤ空気圧の変更や、セッティングに時間を掛けることに。なおマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号は開幕戦3位ということで、ドライバーズポイント(11点)の3倍となる33kgのハンディウェイトを搭載したこともあり、30台中12位という位置につけ公式練習を終えた。
8日午後の公式予選、GT300クラスは30台のエントリーがあり、今回も2つのグループに分け各グループの上位8台ずつがQ2に進出となる。マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号はAグループとなった。薄曇り、気温28℃、路面温度39℃というコンディションの14時30分に10分間のセッションがスタート。坂口は計測5周目に1分37秒774で4位につけると、次のラップで1分37秒368にタイムを縮め2位でセッションを終了し、Q2に駒を進めることとなった。
15時23分に始まったQ2では、平木が4周目に1分37秒108で6位につけた。平木は次のラップで1分37秒969へタイムを縮めたが、これを上回る車両があり7位となりこれで順位が確定した。昨年の鈴鹿で2位表彰台を獲得した後にウェイトを積んでからなかなかQ1突破ができていなかったが、今回33kgのハンディウェイトを搭載しての順位はまずまずのものだった。
9日は前日同様薄曇りの天気。気温29℃、路面温度42℃の13時にフォーメーションラップがスタート。GT300クラスは13時4分にスタートした。混雑するオープニングラップで平木はポジションを3つ落として戻って来たが入賞圏内からは外れていない。しかし6台による一列縦隊の7位争いのグループに入り、周囲にはトラクションが掛かりストレートスピードに勝るFIA-GT3マシンが4台もおり、なかなかそのグループから抜け出せない状況に。平木はペースが上がらず逆に順位を12位に落とすこととなった。
レースの折り返し点より手前、23周で平木はピットイン。メカニックたちがミスなく規定どおりタイヤ4本を交換し、燃料補給と迅速な作業を済ませ、ドライバー交代した坂口がコースへ。瞬間的に24位まで順位を落とすが、他車両がピットインするたびに順位を上げて行った。そして34周で全車がピットインを済ませると、坂口は12位を走行していた。やがて5台による11位争いのグループに加わることに。
終盤の56周目、坂口は12位となったが、59周目にアクシデントのためにストップした車両があり11位でファイナルラップへ。しかし最終コーナーで1台にかわされ12位でチェッカー。レース後に1台の車両がペナルティを受けたことで順位はひとつ繰り上がって11位へ。あとひとつというところで残念ながらポイント獲得はならず。しかしこの苦しいレースで完走したことで、膨大なデータを蓄積し、今後のレースに役立てることとなった。
「交換して冷えた状態のタイヤでの最初の1〜2周が課題だったのですが、今日は70〜80点。クルマはウェイトを積んで重たいので、後半は苦労しましたし、久しぶりにバテました。それにしても最終ラップの最終コーナーで抜かれたのが本当に悔しいです。油断大敵。詰めが甘かったと反省しています。次の鈴鹿はマザーシャシーにとっては得意なコースですが、エンジンルームの熱対策をしてアベレージタイムを上げていかないと、去年のような楽なレースにはならないと思います」
「今回タイヤは無交換ではないということで、タイヤ内圧の設定を新しいものにしたのですが、それが外れてしまいバランスを取りづらく序盤は苦しい展開になりました。GT3マシンが後ろからドンドン来るし、ペースを上げられずいっぱいいっぱいでした。エンジンルームの熱対策もうまくいかず、2週間で改良しないと次の鈴鹿も厳しいでしょう。クルマ自体は遅くないのですが、おそらく次もタイヤは4本とも交換義務でしょうから、苦戦を強いられるかもしれません。また表彰台を狙うのはもちろん、ポイントをしっかり重ねられるよう頑張ります」